「オートファジー」でノーベル賞 大隅先生の苦言はモノづくりの世界にも通ずる(2)

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トップに立った時に策を打たなければ衰退する

(引用)

名誉市民を授与へ ノーベル賞大隅氏に 福岡市 [福岡県]

引用元:西日本新聞 WEBサイト
2016年10月04日11時24分 (更新 10月04日 17時01分)


今回の大隅先生の快挙に対し、出身地である福岡市と福岡県はそれぞれ「名誉市民」「県民栄誉賞」を授与することを検討しているようです。しかし、今回の受賞をそういう一過性のお祭りだけで終わらせるのは勿体ない。そう思います。

例えば、基礎研究に関する基金を作る、未来の研究者となる子どもたちを支援する...。そういった未来に向けて希望のある策を打つことが大事です。トップに立った時に将来に向けて効果的な策を打たなければ、そこから衰退が始まってしまうからです。

全く分野は違いますが、かつて女子サッカーW杯を制し、国民栄誉賞まで受賞した「なでしこジャパン」は今年のリオ五輪予選で敗退し、本大会に出場することができませんでした。

2011年ドイツW杯優勝、2012年ロンドン五輪銀メダル、2015年カナダW杯準優勝。

これらの輝かしい実績は、女子サッカーの競技人口を増やし、選手層の底上げを図る絶好のチャンスでした。でもその好機に効果的な策を打つことができなかった。このため新しい選手は育たず、旧態依然としたメンバーで予選に臨むことになり、いいところを見せることなく予選で敗退してしまったというわけです。

なでしこのキャプテン宮間選手は、カナダW杯の決勝前日に「(なでしこを)ブームではなく、文化に」と訴えていました。この宮間選手の切実な願いは、残念ながら強化セクションの関係者には伝わらなかったようです。やるべき時にやるべきことをやっていなければ、必ずそのつけが回ってくるということです。

モノづくりの世界も基礎が大事

モノづくりも、研究やサッカーと同じで、地道で継続的な取り組みが必要です。

キチンとした基礎を作らなければ未来はありません。また、特許や商標を出願することは先行投資であり、すぐに利益につながるものではありません。それでも継続してコツコツ積み上げていく。そうすることで初めて成果が出てくるのです。

それにも拘らず、特許を取った、商標登録を受けたというだけで何かを成し遂げたと勘違いしている企業も少なくありません。それどころか、出願が完了して、製品に「出願中」の表示をした途端に安心してしまい、その後の取り組みをやめてしまう企業すらあります。

出願や権利化はスタートにすぎません。

成果を出し続けていくにはどうしたらよいか、その成果をどうやってビジネスに活かしていくかを常に考える必要があります。出願や権利化をテコにして次への展開につなげなければいけないんです。

大事なのは「そこから何を始めるか」ですよ!

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この記事の著者について

Yamada

山田龍也 弁理士・クロスリンク特許事務所所長

1964年、東京都品川区生まれ。日本大学文理学部化学科卒業。 化学メーカーで約6年半、写真用化学薬品の研究に従事した後、特許事務所に転職。 2011年4月に弁理士登録。2015年1月に独立。特許実務の経験は18年。 「一見、難しそうな知的財産について、わかりやすくザックリ説明する」をモットーに、 ものづくり系中小企業の特許、意匠、商標の出願や権利化をサポートしている。

クロスリンク特許事務所
http://xlinkpat.jp/

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