数字で見る補助金(2)~小規模事業者持続化補助金


助成金コラムの第二弾では「小規模事業者持続化補助金」(以下「持続化補助金」と略)を取り上げます。
前回の記事「数字で見る補助金(1)~ものづくり補助金」はこちら

二つの実施団体に分かれて運営

「持続化補助金」は、従業員5人以下(商業・サービス業)の法人や個人事業主を対象とした補助金制度です。
補助上限額は50万円と少額なものの、機械設備の購入や広告宣伝、展示会出展、試作品開発、レンタル料
など幅広く事業が使えるのが特長です。
使い勝手が良く、また、申請作業も「ものづくり補助金」よりもハードルが低いので、小規模事業者が
最初にトライしてみるのに最適な補助金だと言えるでしょう。

この「持続化補助金」が、他の補助金制度と大きく違うのが、事業実施団体が「日本商工会議所」と
「全国商工会連合会」に二つあることです。
申請者の所在地を担当しているのが商工会議所なのか、商工会なのかによって申請先が異なりますので注意してください。

<図1:小規模事業者持続化補助金の事業スキーム>

事業スキームの基本は「ものづくり補助金」と同じです。
国会で承認された「持続化補助金」の予算が、事業実施団体である日本商工会議所と全国商工会連合会に交付され、それぞれを通じて小規模事業者に交付されるという仕組みになっています。
また、「持続化補助金」の名称の頭にも、 どの年度の予算に基づいているかを示す“平成〇〇年度補正”といった言葉が付いています。

商工会議所エリアと商工会エリアの違い

日本商工会議所と全国商工会連合会の基本的な違いは以下のとおりです。(同一エリアに商工会議所と商工会が一緒に存在することはなく、必ずどちらか一方のみ。)

都市部など人口が比較的多い地域に商工会議所、それ以外の地域に商工会があると言えます。
拠点数は商工会の方が商工会議所の3倍以上あります。
しかし、加入している事業所数は商工会議所が約44万社も多く、その内の小規模事業者の数も商工会議所の方が多いようです。

では、持続化補助金の申請数、採択数も商工会議所エリアの方が多いのでしょうか?
申請数が多いということは、商工会議所エリアの小規模事業者の方がライバルも多くなり、採択率が低く条件的には不利なのでしょうか?

有利・不利はあるのか

平成27年から今年までの「持続化補助金」の実施結果(被災地対象公募のものを除く全国版のみ)をまとめてみました(表1)。


実施結果(応募数、採択数)が、昨年まですべて公表されてはいなかったので不明な項目があります。
予算額のバラツキがあるため、平成29年実施(平成28年度第2次補正)から3年分の結果をベースに考えてみます。

まず、採択数に注目すると、3年連続して商工会エリアの方が多い結果となっています。
平成28年実施分も含めると4年連続で商工会エリアの採択数の方が多くなっています。
実施結果からは、商工会エリアの事業者の方が採択されやすいと言えるのかもしれません。

驚きの超高採択率

では、予算額と採択率の関係はどうでしょうか。予算額が増えると注目が高まり、応募する事業者も増えるように思われます。
応募者が増えれば、狭き門となって採択率が下がる…と、普通は考えます。
平成30年度第2次補正「持続化補助金」の予算額は200憶円(推定)で、前年よりも予算が80憶円増額され、応募も前年より約6千3百件増えました。
採択率が下がるか、あるいは予算増額分を考慮して前年並みの採択率に収まるのではないかと思われましたが、結果は驚くべきものでした。

商工会議所エリアでの採択率が86.2%。商工会エリアに至っては1次締め切り分と2次締め切り分の合計で93.2%という超高採択率となりました。
商工会議所エリアと商工会エリア両方の合わせた総合採択率でも前年比約23%もアップしました。

商工会エリアでなぜこのような高い採択率となったのか、商工会エリアでの公募開始が、商工会議所エリアよりも1カ月近く遅くなってしまったことが影響しているかもしれませんが、明確な理由はわかりません。

しかし、商工会議所エリアでも86.2%という極めて高い採択率となっていることから考えると、商工会エリアだけの現象ではなく、来年度も同様の高採択率になることが十分に予想されるのではないでしょうか。

要求予算額から予想する来年度の傾向

8月30日に、経済産業省より「令和2年度 地域・中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイント」という資料が公表されました。

この資料によると、経済産業省は中小企業対策費(当初予算)として、前年度よりも269憶円多い1,386憶円を要求しています。その内、中小企業・小規模事業者への支援に割り当てられる予算(生産性向上・デジタル化・働き方改革)も、前年度よりも55憶円増額した424憶円となっています。

この予算案からすると、来年度の「持続化補助金」に割り当てられる予算額は、今年度の200億円(推定)と同額、またはそれ以上の規模になるとも考えられるのではないでしょうか。また、来年度も、今年度並みの高い採択率になる可能性が高いように思われます。

だからと言って、“申請さえすれば採択される”というような考えは禁物です。

上記の経済産業省の資料においても、“小規模事業者の「生産性革命」を実現するため、地方公共団体が地域の実情に応じた販路開拓支援等の小規模企業政策に取り組むことを支援”という方向性が示されており、“生産性”というキーワードは今後ますます重要になってくると思われます。

高採択率と予算増加の予想を前提に、来年度の「持続化補助金」の採択をより確実なものにするためには、“生産性の向上“という視点を事業計画に盛り込まれると良いかもしれません。

<参考>
●経済産業省発表「令和2年度 地域・中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイント」(2019年8月30日発表)
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2020/pdf/05.pdf

●日商の概要
https://www.jcci.or.jp/about/jcci/index.html

●商工会について~商工会とは~
https://www.shokokai.or.jp/?page_id=45

●全国商工会連合会「商工会と会議所の比較」
・https://www.shokokai.or.jp/?page_id=208
・https://www.shokokai.or.jp/somu/main_kaigisho_hikaku.htm

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川井先生、有難うございました。

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