キャッシュレス決済導入に使える補助金5選【2026年最新版】

最近では、業種を問わず多くの事業者がキャッシュレス決済を導入しています。経済産業省によると、日本のキャッシュレス決済比率は2023年時点で39.3%に達しています。

政府は2025年までに、キャッシュレス決済比率を40%に引き上げることを目指しており、実現の可能性が高まっています。世界ではキャッシュレス決済比率が90%を超える国もあります。日本もさらに比率を高めていくことを目指しています。

政府はキャッシュレス決済の導入を支援するために補助金制度の拡充をしています。さらに各地方自治体も独自の補助金制度を設けており、地方でのキャッシュレス決済の導入をサポートしています。

一方で、補助金制度は手続きが煩雑であり、あまり馴染みのない事業者の方も多くいらっしゃるでしょう。

今回は、キャッシュレス決済の導入に関連のある補助金制度をご紹介します。導入を検討している方は、ぜひご覧ください。

キャッシュレス決済の導入に使える補助金5選

補助金制度は種類が多く、すべてを把握するのは難しいと思います。そこで、キャッシュレス決済の導入に活用できる可能性のある補助金を5つご紹介します。

  1. デジタル化・AI導入補助金
  2. 地方自治体独自の補助金
  3. 小規模事業者持続化補助金
  4. 中小企業省力化投資補助金
  5. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

多くの事業者は、知名度の高いIT導入補助金を活用してキャッシュレス決済を導入しようと考えているでしょう。しかし実際には、小型のキャッシュレス決済端末の導入にはあまり利用されていないのが実情です。

一方で、地方自治体独自のキャッシュレス決済に関する補助金は利用しやすいため、対象地域で事業を行っている方は積極的に活用すると良いでしょう。

各補助金の概要やキャッシュレス決済導入に活用できるかについて詳しく見ていきましょう。

IT導入補助金

最大補助金額 450万円
管轄 経済産業省 中小企業庁

IT導入補助金は、対象のITツールを導入した事業者に対して、費用の一部を補助する制度です。2017年から公募が開始された比較的新しい補助金です。

最大450万円の補助が受けられる上に、多くの事業者が活用できる汎用的なITツールが対象となっているため、非常に人気のある補助金です。

IT導入補助金は、キャッシュレス決済の導入も対象となっています。しかし、IT導入補助金を活用したキャッシュレス決済の導入は難しいのが実情です。

基本的に、IT導入補助金は労働生産性を高めるソフトウェアが対象のツールとなっています。デバイス等のハードウェアは、一定の条件を満たした上でソフトウェアとともに購入する必要があります。

また、補助金を活用するには「IT導入支援事業者」として登録されている販売業者から購入する必要があります。しかし、キャッシュレス決済ツールの多くは、登録されていないことが多いです。

特に小型のキャッシュレス決済ツールは、導入費用や月額費用が安く、場合によっては無料で提供されています。売上に対する手数料収益が主な収入源であるため、導入自体は低価格もしくは無料となっています。

補助金を使わなくても導入費用が安く済むため、IT導入支援事業者として登録されていません。そのため多くの人は、IT導入補助金を利用せずに直接購入しています。

一方で、導入費用の高いキャッシュレス決済機能付きの券売機等は、IT導入補助金2025のITツールとして登録されている可能性があります。

最新情報は、ITツール・IT導入支援事業者検索で確認しておきましょう。

地方自治体独自の補助金

補助金額の例 上限10万円
(経費の3分の2まで)
管轄 各地方自治体

地方自治体独自の補助金は、キャッシュレス決済導入において最も利用しやすい補助金と言えます。

申請期限が短かったり、特定の地域の事業者のみが対象だったりする条件がありますが、要件を満たせば利用しやすいのが特徴です。

しかし、全国的にキャッシュレス決済の導入が進んでいるため、補助金が終了するケースも増えています。

例えば、君津市では令和7年3月31日をもって「君津市中小企業者等キャッシュレス決済導入支援補助金」が終了します。

全国的に補助金が終了する流れも予想されるため、対象となっている事業者は早めに申請することをおすすめします。

補助金の申請手続きは、各地自治体によって異なります。詳細は各自治体の公式サイトをご参照ください。

地方自治体独自の補助金の特徴は下記のとおりです。

  1. 申請期限が短い
  2. 対象の地域で事業活動を行っている事業者が対象
  3. 申請手続きが難しくない

キャッシュレス決済導入に関する各自治体の補助金制度の一例をご紹介します。

 

自治体 補助金 申請期限
千葉県君津市 上限10万円
(経費の3分の2まで)
令和7年2月28日
新潟県新発田市 1端末の上限3万円
(経費の4分の3)
令和7年12月26日
東京都北区 1端末の上限10万円
(経費の10分の10)
令和7年3月17日

 

小規模事業者持続化補助金

補助金額の例 補助上限50万円
(補助率は3分の2)
管轄 経済産業省 中小企業庁

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓等を目的とした補助金です。2025年3月4日に公募要領が公開されました。

下記4種類の申請枠に分かれており、それぞれ要件や補助上限が異なります。

  1. 一般型(通常枠、インボイス特例、賃上げ引き上げ特例、災害支援枠)
  2. 創業型
  3. 共同・協業型
  4. ビジネスローン会社コミュニティ型

商工会や商工会議所と連携して、経営計画を作成し申請を行います。

一般型と創業型の対象経費には「機械設置等費」が指定されています。もし、作成した経営計画においてキャッシュレス決済の導入が必要経費として認められれば、補助の対象となります。

ただし、この補助金は生産性向上や販路拡大を目的としているため、IT導入補助金の通常枠と同様に、キャッシュレス決済の導入のみを理由に補助金を受けるのは難しい可能性があります。

補助金を活用できるかどうかについては、事業所が所属する商工会・商工会議所に相談してみましょう。

中小企業省力化投資補助金

補助金額の例 最大1,500万円
(補助率は2分の1以下)
管轄 独立行政法人中小企業基盤整備機構

中小企業省力化投資補助金は、売上拡大・生産性向上を目的とした補助金制度です。

カタログに登録された製品を導入する「カタログ型」と新設された「一般型」の2種類に分かれています。

カタログ型には、キャッシュレス会計に対応した券売機等が対象として掲載されています。

例えば、券売機の導入には50万円~150万円かかりますが、補助金により経費を大きく抑えた導入が可能となります。

ただし、小型のキャッシュレス決済機器はカタログに登録されていません。希望するハードウェアがあるかどうかは、最新の製品カタログ情報を確認しましょう。

一般型は、事業に合わせた様々なシステムやツールの導入が対象となります。多くの事業者が対象となり活用の幅が広い補助金として注目されています。

売上拡大や生産性向上に寄与すると認められれば、小型のキャッシュレス決済機器も補助対象となる可能性があります。

しかし、さまざまな要件を満たす必要があるため注意が必要です。小型のキャッシュレス決済機器導入だけを目的とする場合は、活用できない可能性もあります。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

補助金額の例 最大2,500 万円
(補助率は中小企業の場合2分1)
管轄 中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構

ものづくり補助金は、2012年の補正予算から始まった、長い歴史を持つ補助金制度です。申請枠が複数に分かれており、要件も多いため複雑な手続きが特徴です。

新しいサービスを展開するために、キャッシュレス決済の導入が必要であり「機械装置・システム構築費」として認められれば、補助の対象になります。

ものづくり補助金を活用したキャッシュレス決済の導入事例は多くありませんが、例えばガソリンスタンドでのキャッシュレス対応のセルフ経由システムの導入があります。

ものづくり補助金がどのように活用されているかについては、公式サイトの成果事例を確認しておきましょう。

補助金を活用したキャッシュレス決済の導入は難しい?

補助金は承認されると原則として返還不要のため、多くの事業者が重要な資金調達手段として活用しています。

特に、事業に必要なツールの導入には、できるだけ補助金を活用して出費を抑えたいものです。

しかし、キャッシュレス決済の導入における補助金の活用は簡単ではありません。自社の事業が補助金制度の要件を満たしており、制度の目的に沿った形でキャッシュレス決済を導入する必要があります。

具体的に補助金の活用が難しい理由について見ていきましょう。

  • 活用できる補助金を探すのが難しい
  • 補助金申請の手続きが煩雑
  • 専門家に依頼するとサポート費用が発生する

補助金制度は複雑で、何から調べ始めれば良いのか分からない方も多いでしょう。まずは、補助金の専門家に相談するのが良いかもしれません。

活用できる補助金を探すのが難しい

キャッシュレス決済の導入に活用できる補助金を探すのは難しいことがあります。

補助金活用の事例を見て、同業他社が利用していることから自社でも活用できると考えて申請を検討する事業者もいるでしょう。

補助金制度は要件が複雑で、官公署への申請書類作成に慣れていないと手引きを読み込むのも一苦労です。

そのため、同業他社が利用できていても、自社が要件を満たしていないことも多く補助金の対象にならないことがあります。

また、補助金には種類が多いため、どの補助金が利用でき、最も補助率が高いかを把握するのは難しいといえます。

特に、キャッシュレス決済の導入だけを目的とした補助金の活用は、目的に沿わないため活用できないこともあります。

申請の期限が限られている

補助金には申請期限があります。中には、申請期限が短いものもあります。

そのため、キャッシュレス決済を導入しようと考えたタイミングによっては、補助金を活用できないこともあります。また、予算の都合で補助金が予定より早く終了することもあります。

申請期限に合わせてキャッシュレス決済を導入しようとすると、事業計画に影響が出ることもあるでしょう。

最適な補助金がタイミングよく公募されていることが必要であり、時期によっては補助金を利用するのが難しい場合もあります。

補助金申請の手続きが煩雑

補助金申請は、単に所定の申請書類に記入をするだけではありません。

まずは各補助金の手引きをしっかり読み込み、要件を満たしているかを確認する必要があります。

補助金によっては、申請書類や必要書類が多く資料を集めるだけでも大変です。書類に不備がないよう慎重に準備しなければなりません。

また、厳正な審査が行われる補助金では、事業計画書などを審査員に分かりやすくかつ魅力的に見せる工夫が必要です。

他にも誤字脱字があると審査員の印象が悪くなることもあるため注意が必要です。

実績のある補助金申請サポートの専門家は、審査に通過しやすくするための見せ方や資料作成のノウハウを持っています。

自社で申請する際には、こうした細かい点に気を使いながら申請書類を作成する必要があります。

また、来年度以降も同じ補助金を活用したい場合、最新の情報を逐一チェックしておかなければなりません。

来年度は要件や期日が変更される可能性もあるため、常に補助金の最新情報に気を配ることが必要です。

不正受給にあたらないように注意が必要

補助金の申請手続きには事後報告を含めて厳格な期日が設けられています。

報告が遅れたり、必要な報告ができなかった場合は補助金の返還を求められることもあります。意図せず不正受給にならないように細心の注意を払いましょう。

専門家に依頼するとサポート費用が発生する

補助金の申請は基本的に自社で行えますが、一般的には行政書士や経営コンサルタントなどの専門家に申請サポートを依頼することが多い傾向にあります。

専門家に依頼すると、申請時の不備が減り、申請前に審査に通るかどうかをある程度判断できるというメリットがあります。

しかし、サポートには費用がかかるのがデメリットです。補助金によっては、手付金として数万円が必要で、さらに成功報酬として補助金額の10%を支払わなければならないこともあります。

また、たとえ専門家に依頼しても自社で一定の手続きや準備は必要です。

補助金申請にかかる人件費や専門家への報酬を考慮すると、想定よりもリターンが少なかったといったこともあります。

経費が多くかかるため、補助金を利用するかどうかは、申請にかかる経費も踏まえて判断することが重要です。

補助金を利用せずに販売会社のキャンペーンを活用する

キャッシュレス決済は、補助金を使わずに導入した方が良い場合もあります。

まず、キャッシュレス決済に対応した券売機など、ハードウェアの費用が高いものについては補助金の活用の余地があります。

しかし、飲食店や小売業で使われる小型のキャッシュレス決済機器は、導入費用や初期費用が無料になることが多いです。また、iPadなどのデバイスも無料で提供されるツールもあります。さらに月額の固定費が無料になることも多いです。

このようなツールは、決済手数料が収益のメインとなっています。IT導入補助金などを使わなくても、リーズナブルに導入できるのが特徴です。

また、そもそも補助金の対象ツールとして登録されていないことが多いです。

小型のキャッシュレス機器を導入したい方は、ベンダー販売業者から直接購入するのがいいでしょう。補助金申請手続きが不要で、すぐに導入できます。

実際に導入する際には、キャッシュレス決済の導入費用やキャンペーン情報を確認しましょう。

  1. AirPAY
  2. Square
  3. STORES

どのくらいの費用で導入できるか、また手数料がどのくらいかをチェックしておきましょう。

補助金活用の注意点

補助金を活用する前に知っておきたい注意点をご紹介します。

補助金は後から入金されるため、ツールの費用は先に支払う必要があります。入金されるまでの間は一時的に現金が減ることになり、資金繰りに影響が出るかもしれません。

また、法人税や事業税を滞納しないようにしましょう。補助金申請前には、各種税金をしっかり支払っておくことが大切です。

補助金の入金は原則として後払い

補助金の入金は基本的に後払いとなります。

まず、ツールの導入などにかかる費用を支払い、その後審査を受けます。審査に通れば約1か月後に補助金が入金されます。

例えば、IT導入補助金の場合、ソフトウェアやクラウドサービスの利用料2年分を先に支払う必要があるため、ある程度の初期投資が必要です。

そのため、キャッシュフローに注意しましょう。入金までは支出が先行します。企業によっては資金繰りが厳しくなる場合があるでしょう。

そのような場合には、補助金を利用する事業者向けの「つなぎ融資」のサービスがある金融機関を活用しましょう。日本政策金融公庫や取引先の銀行に相談してみると良いでしょう。

税金の滞納をしている事業者は対象外

補助金を申請する際には、法人税や個人事業税を滞納している場合は申請できないことが多いため注意が必要です。

補助金の財源は税金から捻出されています。必要な税金を納めていない事業者は補助金を利用できません。

例えば、IT導入補助金では納税証明書の提出が求められます。一方で、信用情報は照会されません。そのため、金融機関からの借入があるかといって補助金の申請ができないわけではありません。

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