
労務系の助成金といえば、社会保険労務士さんの分野です。
今回は、人気の「キャリアアップ助成金」について、社会保険労務士の常見先生にご紹介いただきます。
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社会保険労務士の常見です。
今、一番人気のある助成金【キャリアップ助成金】を紹介します。
キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成される助成金です。
『安定的な正社員への転換を積極的に進めてほしい』との政策的意図から行われています。
この助成金は、もともと事業主様が支払った「雇用保険料」の一部から拠出されているので、申請すれば全額受給できる可能性が高いという特徴があります。
【6つの助成金コースおよび主な助成額の概要】
① 正規雇用等転換コース (東京都の場合、上乗せ加算制度あり)
● 有期雇用→正規雇用:50万円/名
● 有期雇用→無期雇用:20万円/名
● 無期雇用→正規雇用:30万円/名
② 多様な正社員コース
● 勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し適用: 1事業所当たり40万円(30万円)
● 有期・無期 → 勤務地限定正社員、職務限定正社員、または短時間正社員: 1人当たり30万円(25万円)
● 正規雇用労働者を短時間正社員に転換、または短時間正社員の新たな雇入れ: 1人当たり20万円(15万円)
③ 人材育成コース
● 【Off-JT(一般職業訓練)分の支給額】
・賃金助成:800円/1人1時間
・経費助成:1人あたりの訓練時間により以下のようになります。
-100時間未満:10万円
-100~200時間未満:20万円
-200時間以上:30万円
● 【OJT分の支給額】
・実施助成:800円/1人1時間
④ 処遇改善コース
● すべての有期契約労働者等の賃金テーブル等を増額改定した場合
→ 1人当たり3万円
● 一部の賃金テーブル等を増額改定した場合
→ 1人当たり1.5万円
⑤ 健康管理コース
● 1事業所当たり 40万円(30万円)<1事業所当たり1回のみ>
⑥ 短時間労働者の週所定労働時間延長コース
● 1人当たり10万円(7.5万円)
【助成金の対象となる従業員】
① 雇用契約の契約期間が決まっている(6カ月契約、1年契約など)
② 採用時に正社員になることがあらかじめ確定されていない
キャリアップ助成金を申請するには、各コースについて「キャリアップ計画書」を作成・提出し、労働局長の認定を受けます。次回は、その「キャリアアップ計画書について」をお伝えします。(2)へ続く
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常見先生有難うございました。せっかくならぜひ活用したい助成金の1つですが、
どの段階から助成金申請を視野にいれていくか?さかのぼって申請できるか?などについて次回以降
お話頂きます。どうぞお楽しみに!