小学生が特許取得!?
昨年、小学生の女の子が特許を取得したことが話題となりました。発明品は空き缶分別箱。箱の中に取り付けられた磁石によって、アルミ缶とスチール缶を自動的に分別するゴミ箱です。ただ、この発明のポイントは磁石ではありません。なかなかよく考えられていますよ。このゴミ箱の技術内容や彼女の発明発想法を分析してみました。
復習です。空き缶分別箱について
この発明に関してはかなり話題になったので、改めて説明する必要もないと思います。ご存知ない方のために。以下の過去記事が分かりやすいです。
小6少女が特許取得 缶を自動分別するごみ箱 夏休みの自由研究きっかけに
空き缶分別箱のイメージはこんな感じ(記事中のイラスト)
記事中のイラストは特許図面に描かれた構造とは若干違います。でも、大まかなイメージを掴むのであればあの図で十分です。アルミ缶は磁石にくっつかないので、そのまま下の部屋に落ちる。スチール缶は磁石に引き寄せられて、右側の部屋に落ちる。そういうことです。
スチール缶を磁石にくっつけることが発明になるんですか?
空き缶分別箱の話に入る前に「発明とは何か」について考えてみましょう。「発明」には色々な定義があるのですが、ざっくり言ってしまうならば、「技術的効果を発生させるための仕組みや条件」です(ヤマダ説)。「スチール缶を磁石にくっつけるなんて誰でも思いつくんじゃないの?」そう思う人もいるかもしれません。でも、スチール缶が磁石にくっついても、それだけではアルミ缶と分別できませんよね?彼女の発明は「スチール缶を磁石にくっつけること」ではなく、「スチール缶とアルミ缶を別々の部屋に正確に振り分ける(分別回収する)ための仕組み」なんです。
明日に続きます。
山田先生、ありがとうございました!お子さんの夏休みの自由研究、うちの子は何を作るんだろう・・なんてご心配の親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか!?こんな発明を宿題でこなるだけでも凄いのに特許まで取得するとは!次回は、弁理士の山田先生ならではの、なぜこの発明が特許取得に至ったのかについてご紹介いただきます。お楽しみに!(運営事務局・白石)