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経営革新計画について

経営革新計画をご存知でしょうか?

詳細な事業計画書を都道府県に提出するすることで、当該計画について承認を受けることで様々なメリットを受けることができます。

経営革新計画の承認を受けている企業の方が、受けていない企業よりも売上高で13.4%高いというデータもあり、例えば、銀行の金利を-0.9%低減させるなど、以下のようなメリットがあります。

1. 政府系金融機関による低利融資制度

経営革新計画を受けることで、日本政策金融公庫などから、優遇された金利で融資を受けることが可能になります。

具体的には、政府系金融機関(日本政策金融公庫・商工組合中央金庫等)から融資を受けた場合の利率が、基準金利より約0.9%も低減できます。

例えば、皆さんの会社が政府系金融機関から利率2.5%で通常融資を受けている場合、

基準金利2.5% – 0.9% ⇒ 1.6%

1.6%の低利子で融資を受けれることが可能です。

また、経営革新計画は、公的機関・金融機関への最大のプレゼン資料になります。

低金利でしかも、政府系金融機関から高い確度で融資をうけることができることは、大きなメリットです。

ただ、経営革新計画の申請書に記載した金額以上の金額を借りることができないという点に気をつけなければなりません。

そのため、資金計画として政府系金融機関から借りる金額を正確に記載しなければなりません。

2. 税負担の軽減

設備投資の30%特別償却、又は税額の7%控除が適用されるというメリットがあります。

3. 信用保証協会の保証限度額の増加

経営革新計画の実行にあたり、民間金融機関から融資を受ける際に信用保証協会による信用保証に関し、特例の支援措置を受けることができます。

4. 海外展開事業者への支援制度

海外展開にあたり、現地通貨での融資を受けやすいよう、信用状を発行するなどの施策があります。

5. ベンチャーファンドからの投資

経営革新計画に従って、経営革新のための事業を行い、株式公開を目指す未公開株式会社は、起業支援ファンド(投資事業有限責任組合)からの投資の対象となっています。

6. 特許関係料金減免制度

経営革新計画における技術に関する研究開発について、特許関係料金が半額に軽減される制度です。

特許の審査請求料は、通常、15万円ほどのコストが発生してします。

また、特許の維持費についても毎年発生するコストであり、決して小さなものではありません。

これらが半額に軽減されるというのは、無視できないメリットといえます。

7. 東京都、制度融資

経営革新計画の承認をはじめとする法律に基づく認定・承認を受けた事業や新製品開発、事業承継、多角化などの新たな事業へのチャレンジ等をする場合に必要となる資金に対する東京都の制度融資(東京信用保証協会による信用保証をつけることが必要)などの使用を受けることができます。

8. 東京都中小企業振興公社「市場開拓助成事業」

経営革新計画を実行し、開発した新製品、新商品、新サービスなどの販路開拓にあたり、

国内外の見本市(展示会)への出展経費、新聞・雑誌等に掲載する広告費の一部に関する

助成事業の申請に必要な資格の一つに「経営革新計画の承認」がなっています。サイト

9.拡散力の強化

計画の承認を得ることで、各都道府県のホームページで、会社の紹介がされるというメリットがあります。

さらに、「都道府県知事の承認を受けた企業」ということで、取引先からの信用力をアップさせることも可能になります。

10.補助金で加点されることがある

経営革新計画の承認を受けることで、補助金の審査で加点になることがあります。また、経営革新計画の申請書の内容を、補助金の申請書に流用できます。

まとめ

経営革新計画を受ける場合、詳細な事業計画書を作成しなければなりません。また、内容的にもレベルの高いものが求められます。しかし、経営革新計画は、補助金の申請のように一発勝負ではありません。そのため、通常は、提出した後に何度も修正・ブラッシュアップしていくことになります。

また、申請書の修正などについては、東京都の方などから詳細なフィードバックを受けることができます。これによって、自分が見えていないかった事業の懸念材料や、改良点などが見えることも少なくありません。

これまで多くのメリットを挙げてきましたが、最大のメリットは、完成度の高い事業計画書を作成できるところにあると言えます。

完成度の高い事業計画に沿って行う事業の成功率が高いことは、容易に想像がつくと思います。そのためには、経営革新計画が承認された後に、ちゃんと作成した事業計画に沿って事業を行うことが重要になります。

今回は、新規事業について、様々なメリットが受けられるとともに、完成度の高い事業計画書を作成できる経営革新計画についてご説明させて頂きました。

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ものづくり補助金の2次公募がスタートしました(2)

こんにちわ!今日は前回に引き続き、原田先生のものづくり補助金コラムです。


ものづくり補助金の採点は、チェックシートに基づき、加点方式で行われています。公募要領に基づくチェックシートにつきましては、下記を参考にしていただければ幸いです。

<企業概要>

1.住所は本社の所在地を記載している

□いる

□いない

2.法人の場合は、法人番号を記載している。法人番号がない場合(個人事業主等)

は「なし」と明記している(マイナンバー(個人番号)は記載しないでください)

□いる

□いない

<事業内容>

1.事業目的を意識して30字程度で記載できている

□できている

□できていない

2.「本事業で取り組む対象分野となる業種」には本補助事業で行う業種を記入されている

□されている

□されていない

3.事業計画の概要が、100字程度で簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

4.事業類型(一般型、小規模型)に☑がされている。

□されている

□されていない

5.小規模型を選択した場合に試作開発、設備投資のみのいずれかに

チェックされている。

□されている

□されていない

<事業の具体的な内容>

1. 本事業の目的・手段について、今までに取り組んできた経緯が記載されている。

□されている

□されていない

2. 本事業の目的・手段について、今回の補助事業で機械装置を購入しなければならない必要性、課題を解決するため、不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等を明確にしている。

□されている

□されていない

3.本事業の目的・手段について、具体的な目標及びその具体的な達成手段を記載(必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記載している。

□されている

□されていない

4.事業期間内において、機械装置等の購入時期や導入時期について詳細なスケジュールが記入されている。

□されている

□されていない

5.新たな製品・サービスを顧客等の他者に対し役務としてどのように提供するのか具体的に説明している。

□できている

□できていない

6.「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示す方法との関連性を説明している。

□できている

□できていない

7.本事業を行うことによって、どのように他者と差別化し競争力強化が実現するかについて、具体的に説明している。

□されている

□されていない

<将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)>

1.本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模

等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性が記載されている。

□されている

□されていない

2.本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模

等について、現在の市場規模も踏まえて記載されている。

□されている

□されていない

3.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

4.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる売上規模について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

5.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる量産化時の製品等の価格等について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

6.革新的サービスに申請する場合、革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善を行い、3~5年計画で「付加価値額」年率3%を達成する根拠が具体的に記載されている。

□されている

□されていない

7.革新的サービスに申請する場合、革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善を行い、「経常利益」年率1%の向上を達成する計画」の根拠が具体的に記載されている。

□されている

□されていない

8.ものづくり技術に申請する場合、革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年計画で「付加価値額」「経常利益」の増大を達成する計画」の根拠を具体的に記載している。

□している

□していない

9.「付加価値額」「経常利益」等の算出については、算出根拠を明記している。

□している

□していない

<技術面>

1.新製品・新技術・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、

アイディアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。

□なっている

□なっていない

2. 中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行うサービスの創出であるか。

□ガイドラインで示された方法である

□ガイドラインで示された方法でない

3. サービス・試作品等の開発における課題が明確になっている。

□なっている

□なっていない

4. 補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定している。

□設定している

□設定していない

5. 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。

□優位性が見込まれる

□優位性は見込まれない

6. 補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっている

□備わっている

□備わっていない

<事業化面>

1. 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できる。

□期待できる

□期待できない

2. 事業化に向けて、市場ニーズを考慮している。

□考慮している

□考慮していない

3. 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確。

□明確である

□明確ではない

4. 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有する。

□有する

□有しない

5.事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当。

□妥当

□妥当ではない

6.補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。

□高い

□高くない

<政策面>

1.厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見いだす企業として、他の企業のモデルとなる。

□なる

□ならない

2.国の方針(「経済の好循環実現に向けた政労
使の取組について」において示

された賃金上昇に資する取組みであるか等)と整合性を持つ。

□持つ

□持たない

3. 地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画である

□期待できる

□期待できない

4.金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

□見込める

□見込めない

5.中小企業・小規模事業者の競争力強化につながる経営資源の蓄積(例えば生産設備の改修・増強による能力強化)につながる。

□つながる

□つながらない

<加点項目>

1.賃上げ等に取り組む企業である

□取りむく企業である

□そうではない

2.本事業によりTPP加盟国等への海外展開により海外市場の新たな獲得を目指す企業である

□目指す企業である

□そうではない

3. 申請時に有効な経営革新計画の承認を受けている(申請中を含む)企業である。

□承認を受けた企業である

□そうではない

4. 小規模型に応募する小規模企業者である。

□小規模企業者である

□そうではない

5. 一般型に応募し、経営力向上計画の認定を受けている。

□認定を受けている

□そうではない


チェックシートを活用しながら、ものづくり補助金にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
原田先生、ありがとうございました!

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ものづくり補助金の2次公募がスタートしました(1)

今日は、数多くのものづくり補助金申請を手掛けていらっしゃる原田国際特許商標事務所の弁理士、原田先生によるものづくり補助金コラムです。


ものづくり補助金の2次公募が決定しました。申請書提出の締切は、平成28年 8月24日(水)となっており、交付決定日(11月中旬)から12月31日の間に、発注、納入、検収、支払等のすべての事業手続きを完了させなければなりません。

主な変更点

1000万円の一般型、500万円の小規模型ともに、設備投資が必要になった点が主な変更点です。なお、設備投資には、もっぱら補助事業のために使用される機械・装置・工具・器具・専門のソフトウェアの取得であって、50万円(税抜)以上を計上するものが該当します。トータルの補助金申請額が100万円に満たない案件についても対象外になる点にも留意しなければなりません。

また、対象経費の区分が、一般型・小規模型ともに、「機械装置費」、「技術導入費」、「運搬費」、「専門家経費」の4つのみになってしまった点が挙げられます。

ものづくり補助金は狭き門?

また、採択件数は全国で100件程度と狭き門になっています。狭き門には見えますが、前回採択された事業者が抜けているため、実際は、数字ほどは厳しくならないかもしれないと個人的には、思っています。例えば、過去に私が受験していた弁理士試験ですが、大量合格者が発生した翌年は、受験者全体のレベルが落ちるという傾向がありました。合格レベルにある受験生がいなくなることで、全体のレベルが下がるという点で共通していると思います。

今回の公募のポイントは?

今回の追加公募での大きな特徴として、「経営力向上計画」の取組みを支援していることが挙げられます。具体的には、「経営力向上計画」の認定を受けることで、審査にて加点されます。加点されるためには、補助金の申請書提出までに、経営力向上計画の申請書が提出される必要があります。採点は、チェックシートに基づき、加点方式で行われています。公募要領に基づくチェックシートにつきましては、次回お伝えしますのでご参考にしていただければ幸いです。


原田先生、ありがとうございました!