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ものづくり補助金の2次公募がスタートしました(2)

こんにちわ!今日は前回に引き続き、原田先生のものづくり補助金コラムです。


ものづくり補助金の採点は、チェックシートに基づき、加点方式で行われています。公募要領に基づくチェックシートにつきましては、下記を参考にしていただければ幸いです。

<企業概要>

1.住所は本社の所在地を記載している

□いる

□いない

2.法人の場合は、法人番号を記載している。法人番号がない場合(個人事業主等)

は「なし」と明記している(マイナンバー(個人番号)は記載しないでください)

□いる

□いない

<事業内容>

1.事業目的を意識して30字程度で記載できている

□できている

□できていない

2.「本事業で取り組む対象分野となる業種」には本補助事業で行う業種を記入されている

□されている

□されていない

3.事業計画の概要が、100字程度で簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

4.事業類型(一般型、小規模型)に☑がされている。

□されている

□されていない

5.小規模型を選択した場合に試作開発、設備投資のみのいずれかに

チェックされている。

□されている

□されていない

<事業の具体的な内容>

1. 本事業の目的・手段について、今までに取り組んできた経緯が記載されている。

□されている

□されていない

2. 本事業の目的・手段について、今回の補助事業で機械装置を購入しなければならない必要性、課題を解決するため、不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等を明確にしている。

□されている

□されていない

3.本事業の目的・手段について、具体的な目標及びその具体的な達成手段を記載(必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記載している。

□されている

□されていない

4.事業期間内において、機械装置等の購入時期や導入時期について詳細なスケジュールが記入されている。

□されている

□されていない

5.新たな製品・サービスを顧客等の他者に対し役務としてどのように提供するのか具体的に説明している。

□できている

□できていない

6.「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示す方法との関連性を説明している。

□できている

□できていない

7.本事業を行うことによって、どのように他者と差別化し競争力強化が実現するかについて、具体的に説明している。

□されている

□されていない

<将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)>

1.本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模

等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性が記載されている。

□されている

□されていない

2.本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模

等について、現在の市場規模も踏まえて記載されている。

□されている

□されていない

3.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

4.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる売上規模について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

5.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる量産化時の製品等の価格等について簡潔に記載されている。

□されている

□されていない

6.革新的サービスに申請する場合、革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善を行い、3~5年計画で「付加価値額」年率3%を達成する根拠が具体的に記載されている。

□されている

□されていない

7.革新的サービスに申請する場合、革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善を行い、「経常利益」年率1%の向上を達成する計画」の根拠が具体的に記載されている。

□されている

□されていない

8.ものづくり技術に申請する場合、革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年計画で「付加価値額」「経常利益」の増大を達成する計画」の根拠を具体的に記載している。

□している

□していない

9.「付加価値額」「経常利益」等の算出については、算出根拠を明記している。

□している

□していない

<技術面>

1.新製品・新技術・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、

アイディアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。

□なっている

□なっていない

2. 中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行うサービスの創出であるか。

□ガイドラインで示された方法である

□ガイドラインで示された方法でない

3. サービス・試作品等の開発における課題が明確になっている。

□なっている

□なっていない

4. 補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定している。

□設定している

□設定していない

5. 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。

□優位性が見込まれる

□優位性は見込まれない

6. 補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっている

□備わっている

□備わっていない

<事業化面>

1. 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できる。

□期待できる

□期待できない

2. 事業化に向けて、市場ニーズを考慮している。

□考慮している

□考慮していない

3. 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確。

□明確である

□明確ではない

4. 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有する。

□有する

□有しない

5.事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当。

□妥当

□妥当ではない

6.補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。

□高い

□高くない

<政策面>

1.厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見いだす企業として、他の企業のモデルとなる。

□なる

□ならない

2.国の方針(「経済の好循環実現に向けた政労
使の取組について」において示

された賃金上昇に資する取組みであるか等)と整合性を持つ。

□持つ

□持たない

3. 地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画である

□期待できる

□期待できない

4.金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

□見込める

□見込めない

5.中小企業・小規模事業者の競争力強化につながる経営資源の蓄積(例えば生産設備の改修・増強による能力強化)につながる。

□つながる

□つながらない

<加点項目>

1.賃上げ等に取り組む企業である

□取りむく企業である

□そうではない

2.本事業によりTPP加盟国等への海外展開により海外市場の新たな獲得を目指す企業である

□目指す企業である

□そうではない

3. 申請時に有効な経営革新計画の承認を受けている(申請中を含む)企業である。

□承認を受けた企業である

□そうではない

4. 小規模型に応募する小規模企業者である。

□小規模企業者である

□そうではない

5. 一般型に応募し、経営力向上計画の認定を受けている。

□認定を受けている

□そうではない


チェックシートを活用しながら、ものづくり補助金にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
原田先生、ありがとうございました!

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ものづくり補助金の2次公募がスタートしました(1)

今日は、数多くのものづくり補助金申請を手掛けていらっしゃる原田国際特許商標事務所の弁理士、原田先生によるものづくり補助金コラムです。


ものづくり補助金の2次公募が決定しました。申請書提出の締切は、平成28年 8月24日(水)となっており、交付決定日(11月中旬)から12月31日の間に、発注、納入、検収、支払等のすべての事業手続きを完了させなければなりません。

主な変更点

1000万円の一般型、500万円の小規模型ともに、設備投資が必要になった点が主な変更点です。なお、設備投資には、もっぱら補助事業のために使用される機械・装置・工具・器具・専門のソフトウェアの取得であって、50万円(税抜)以上を計上するものが該当します。トータルの補助金申請額が100万円に満たない案件についても対象外になる点にも留意しなければなりません。

また、対象経費の区分が、一般型・小規模型ともに、「機械装置費」、「技術導入費」、「運搬費」、「専門家経費」の4つのみになってしまった点が挙げられます。

ものづくり補助金は狭き門?

また、採択件数は全国で100件程度と狭き門になっています。狭き門には見えますが、前回採択された事業者が抜けているため、実際は、数字ほどは厳しくならないかもしれないと個人的には、思っています。例えば、過去に私が受験していた弁理士試験ですが、大量合格者が発生した翌年は、受験者全体のレベルが落ちるという傾向がありました。合格レベルにある受験生がいなくなることで、全体のレベルが下がるという点で共通していると思います。

今回の公募のポイントは?

今回の追加公募での大きな特徴として、「経営力向上計画」の取組みを支援していることが挙げられます。具体的には、「経営力向上計画」の認定を受けることで、審査にて加点されます。加点されるためには、補助金の申請書提出までに、経営力向上計画の申請書が提出される必要があります。採点は、チェックシートに基づき、加点方式で行われています。公募要領に基づくチェックシートにつきましては、次回お伝えしますのでご参考にしていただければ幸いです。


原田先生、ありがとうございました!

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小学生が特許取得!空き缶分別箱を考えた小6少女の発明発想法(2)

前回の記事はこちら

空き缶分別箱の仕組み

上の図は特許図面を加工したものです。一部の部品名もわかりやすい名前に書き換えてあります。<出展:特許5792881 図2から一部抜粋・一部改変>

スチール缶をスチール缶収容室に落とす仕組みは以下の通りです。シート片の右側には壁がないので、シート片はブラブラと自由に動きます。

  1. スチール缶は案内板の上を転がって壁にぶつかる。
  2. スチール缶は磁石に引きつけられた状態で、壁に沿って下に落ちる。
  3. スチール缶が壁の下端を過ぎると、磁石に引きつけられたスチール缶は壁の支えを失って、 壁の下側に回りこみ、シート片を右側に押し上げる。
  4. スチール缶はスチール缶収容室の上に入り込み、磁力が作用しなくなった時点でスチール缶収容室に落ちる。
  5. アルミ缶は磁石にくっつかない。このため、アルミ缶はシート片にブロックされてアルミ缶収容室に落ちる。

この空き缶分別箱の第1のポイントは壁の下側にシート片を付けたことです。シート片がないと、勢い余ったアルミ缶がスチール缶収容室に落ちることがあり、分別の成功率が下がってしまいます。

第2のポイントは磁石を設置した位置です。磁石を壁の上の方に設置してしまうと、磁石とシート片との距離が遠くなります。この場合、スチール缶が磁石にくっついた状態で止まってしまうか、スチール缶がシート片の位置まで落ちた時に十分な磁力が作用しなくなり、シート片をうまく押し上げられません。そうすると、スチール缶がアルミ缶収容室に落ちてしまいます。いずれにしても分別の成功率が下がるということです。シート片と磁石の絶妙なコンビネーション。これが正確な缶の分別の秘訣というわけです。すごくうまく考えられていますね。

小6少女の発明発想法

今回特許を取得した神谷さんの発明発想法は一言で言うと、「深掘り型」です。シート片の長さを変えながら何度も実験をして、74%程度だった分別成功率を96%まで引き上げています。試作と実験を地道に繰り返すことで、発明をブラッシュアップしているわけです。まだ小学生なのに、職人肌ですな(笑)テレビで空き缶分別箱の現物を見たことがあります。特許として権利請求されていない部分にも様々な工夫が施されていました。

・壁の表面に磁力を弱める樹脂シートを貼り付ける(スチール缶が磁石にくっついた状態で止まらないようにする)。

・案内板をバネ板状にし、案内板の先端と壁の間の距離を缶の直径より狭める(押し込まないと缶が入らないようにし、スチール缶に確実に磁力を作用させる)
・シート片の材質を変更する(シートの柔軟性によって、分別の特性を変える)などなど。本当に素晴らしいです。いやはや恐れ入りました!

まとめ

彼女から学ぶべきことをまとめてみます。

(1)アイデアを技術的効果を発生させる仕組みに昇華させる。
(2)試作と実験を繰り返す。
(3)アイデアを深掘りして、優れた効果が発生する条件を探す。

発明相談を受けていると、

・思いつきのアイデアに留まって、効果発生の仕組みを考えていない
・手を動かしていないために、実際の製品で起こるであろう問題点に気づいていない
・検討が不十分なために、ピンポイントで範囲が狭い発明に留まっている

というケースが多々見られます。発明は一日にしてならず。試作と実験を地道に繰り返すことが成功への道だと思いますよ。


山田先生、ありがとうございました!アイデアの深堀り、手を動かすことの重要性などヒントがたくさんあったと思います。大人から子供まで学ぶべき点が非常に多いと思います。ぜひご参考になさってください!(運営事務局・白石)

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小学生が特許取得!空き缶分別箱を考えた小6少女の発明発想法(1)

小学生が特許取得!?

昨年、小学生の女の子が特許を取得したことが話題となりました。発明品は空き缶分別箱。箱の中に取り付けられた磁石によって、アルミ缶とスチール缶を自動的に分別するゴミ箱です。ただ、この発明のポイントは磁石ではありません。なかなかよく考えられていますよ。このゴミ箱の技術内容や彼女の発明発想法を分析してみました。

復習です。空き缶分別箱について

この発明に関してはかなり話題になったので、改めて説明する必要もないと思います。ご存知ない方のために。以下の過去記事が分かりやすいです。

小6少女が特許取得 缶を自動分別するごみ箱 夏休みの自由研究きっかけに
空き缶分別箱のイメージはこんな感じ(記事中のイラスト)

記事中のイラストは特許図面に描かれた構造とは若干違います。でも、大まかなイメージを掴むのであればあの図で十分です。アルミ缶は磁石にくっつかないので、そのまま下の部屋に落ちる。スチール缶は磁石に引き寄せられて、右側の部屋に落ちる。そういうことです。

スチール缶を磁石にくっつけることが発明になるんですか?

空き缶分別箱の話に入る前に「発明とは何か」について考えてみましょう。「発明」には色々な定義があるのですが、ざっくり言ってしまうならば、「技術的効果を発生させるための仕組みや条件」です(ヤマダ説)。「スチール缶を磁石にくっつけるなんて誰でも思いつくんじゃないの?」そう思う人もいるかもしれません。でも、スチール缶が磁石にくっついても、それだけではアルミ缶と分別できませんよね?彼女の発明は「スチール缶を磁石にくっつけること」ではなく、「スチール缶とアルミ缶を別々の部屋に正確に振り分ける(分別回収する)ための仕組み」なんです。

明日に続きます。


山田先生、ありがとうございました!お子さんの夏休みの自由研究、うちの子は何を作るんだろう・・なんてご心配の親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか!?こんな発明を宿題でこなるだけでも凄いのに特許まで取得するとは!次回は、弁理士の山田先生ならではの、なぜこの発明が特許取得に至ったのかについてご紹介いただきます。お楽しみに!(運営事務局・白石)