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2017年はここに注目!助成金がアップする生産性要件とは?

2017年度に助成金を申請する際に一つキーワードになるのが「生産性要件」です。

助成金制度全体を昨年度(2016年度)と比較すると「助成金額は減額」の傾向にあります。

しかし、「生産性要件」を満たせば、以下のように2016年度よりも増額されます。

※キャリアアップ助成金(正社員化コース)の場合

  1. 生産性要件を満たした場合:労働者1人あたり72万円
  2. 生産性要件を満たさない場合:労働者1人あたり57万円
    ※中小企業の場合の金額です。

■生産性要件とは?

(1) 助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に比べて6%以上伸びていること

(2) 「生産性」の算出方法

(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数

■平成29年度の制度改正

雇用関係の助成金は、雇用保険法の中の「雇用保険二事業」として実施されます。

平成29年4月に施行された雇用保険法では、<雇用保険二事業の理念として、「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」>ということが明記されました。

助成金の申請において「生産性」が加味されることになった理由はここにあります。

■生産性要件が適用される助成金の種類

(再就職支援関係)

  1. 労働移動支援助成金 早期雇入れ支援コース/ 人材育成支援コース/移籍人材育成支援コース
    中途採用拡大コース

(雇入れ関係)

  1. 地域雇用開発助成金 地域雇用開発コース

(雇用環境の整備関係)

  1. 職場定着支援助成金 雇用管理制度助成コース/介護福祉機器助成コース/保育労働者雇用管理制度助  成コース/介護労働者雇用管理制度助成コース
  2. 人事評価改善等助成金
  3. 建設労働者確保育成助成金 認定訓練コース/技能実習コース/雇用管理制度助成コース/登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース/若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース/女性専用作業員施設設置助成コース
  4. 65歳超雇用推進助成金/高年齢者雇用環境整備支援コース/高年齢者無期雇用転換コース

(仕事と家庭の両立関係)

  1. 両立支援等助成金 事業所内保育施設コース/出生時両立支援コース/介護離職防止支援コース/育児休業等支援コース/再雇用者評価処遇コース/女性活躍加速化コース

(キャリアアップ・人材育成関係)

  1. キャリアアップ助成金 正社員化コース/人材育成コース/賃金規定等改定コース/諸手当制度共通化コース/選択的適用拡大導入時処遇改善コース/短時間労働者労働時間延長コース
  2. 人材開発支援助成金 特定訓練コース/一般訓練コース/キャリア形成支援制度導入コース/職業能力検定制度導入コース

(最低賃金引き上げ関係)

  1. 業務改善助成金
    ※設立後設立後3年未満の会社など比較対象となる3年前の生産性要件を算出できない場合には、対象外です。
    ※生産性要件を満たさなくても低い金額での支給申請は従来通り実施することができます。

■厚生労働省webサイト

生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます

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これを期に資金繰り改善!早期経営改善計画策定支援とは。

早期経営改善計画補助金 とは?

国が認める認定支援機関の支援を受けて資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図など早期の経営改善計画書を策定する場合、専門家に対する支払費用の2/3を負担する事業です。
つまり、「専門家の力を借りて自己の経営を見直しませんか?」というのが補助金の趣旨です。

中小企業庁:中小企業・小規模事業者の資金繰り管理や採算管理等の早期の経営改善を支援します~平成29年5月29日より早期経営改善計画の利用申請を開始します~

 

認定支援機関とは

中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。
ちなみに、私が所属する行政書士法人GOALも行政書士法人初の認定支援機関として国から認定されています。

どんな事業者に向いているのか

補助金側が想定する「自己の経営の課題」として以下が紹介されています。

  1. 資金繰りが不安定。
  2. よくわからないが売上げが減少している。
  3. 自社の状況を客観的に把握したい。
  4. 専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい。
  5. 経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい。

上記に当てはまる事業者は認定支援機関の力を借りて経営改善を図ろうというものです。

作成が支援してもらえる資料

以下が認定支援機関による作成支援の資料です。

  1. ビジネスモデル俯瞰図
  2. 資金実績・計画表
  3. 損益計画
  4. 早期経営改善計画実施にかかるアクションプラン

以下のリンクにサンプルがありますので参考に御覧ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/2017/170510kaizen08.pdf

補助率

補助率は、2/3かつ上限20万円です。
ただしモニタリングの費用の上限5万円と合わせて20万円が上限となっています。
つまり早期経営改善計画策定支援だけで20万以上の補助を受けてしまうとモニタリング費用は補助されないという仕組みです。

申請フロー

利用するための申請フローは以下の通りです。

  1. 利用申請
    • 事業者は、認定支援機関と連名で「経営改善支援センター事業利用申請書(早期経営改善計画)」と、金融機関からの「事前相談書」を入手し経営改善支援センターに提出する。
  2. 計画策定支援
    • 提出認定支援機関は、事業者の「早期経営改善計画」を策定し、事業者はその計画を金融機関に提出します。
  3. 支払申請
    • 事業者は「経営改善支援センター事業費用支払申請書(早期経営改善計画)」を経営改善支援センターに提出。
    • その際、金融機関に早期経営改善計画を提出したことを確認できる書面(金融機関の受取書等(普段の業務で使用しているもので可))も添付する。
  4. 早期経営改善計画策定費用の支払決定
    • 経営改善支援センターは早期経営改善計画策定支援に係る費用の3分の2を上限(計画策定に係る補助上限額 20万円)として補助。
  5. モニタリング
    • 認定支援機関は、経営改善計画の記載に基づき事業者のモニタリングを実施して、経営改善支援センターに対し、「モニタリング費用支払申請書(早期経営改善計画)」、「モニタリング報告書」を提出。モニタリング費用の支払い決定 経営改善支援センターは、モニタリング費用の3分の2を上限(モニタリングに係る補助上限額 5万円)として補助。

まとめ

事業計画書は経営という大航海のいわば地図にあたります。地図無くしては目的のゴールに辿り着くことは出来ないでしょう。ましてや地図を用意せず、風と潮を頼りに目的地を目指すことは不可能だと言えるでしょう。
そうはいっても、財務に関する専門知識も無く、日々目の前のことをやり続けていると地図を見直してみる時間は取れないのが実状でしょう。
重要性は分かっているけど、なかなかその費用が捻出出来ない、という方もいるでしょう。
そうした経営者の悩みを国の補助によって解決できる好機になるかもしれません。
心当たりのある事業者様はぜひ詳細をご覧になってみて下さい。

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​特許戦略の基本、特許調査の費用について最大100万円の助成を受けられる! ~特許調査費用助成事業(東京都知的財産総合センター)~

弁理士のヤマダです。

特許の取得を検討する上で、まず行わなければならないのが特許調査です。

他社の特許出願の状況、特許取得の状況を調査し、それらの技術との差別化を図らなければ特許の取得が難しくなるからです。

今日はその特許調査の費用の一部を助成してくれる、東京都知的財産総合センターの「特許調査費用助成事業」を紹介します。

● 特許調査費用助成事業とは

中小企業者が製品の開発戦略を策定したり、特許出願の戦略を策定したりする目的で、特許事務所や調査会社に他社の特許調査を依頼した場合に、その費用の一部について助成金を交付する事業です。

以下、この助成事業の概要を説明します。

特許調査費用助成事業の概要

● 対象者

東京都内の中小企業者(会社及び個人事業者)です。資本金額と従業員数の条件に加えて、大企業が実質的に経営に参画していない、という条件を満たす必要があります。

● 助成 内容

助成率は対象経費の1/2以内、助成金の限度額は100万円です。

● 助成対象経費

特許事務所や調査会社に他社の特許調査を委託した際に要する経費です。

調査の目的および内容は以下の4つに限られます。

  1. 開発戦略の策定(他社特許の調査、パテントマップ作成、特許出願動向の分析)
  2. 特許の出願戦略の策定(他社特許の調査、パテントマップ作成、特許出願動向の分析)
  3. 継続的なウォッチング(検索式の作成・改良、特許出願動向の調査)
  4. 侵害予防(他社特許調査、特許無効化のための調査)

助成対象は助成金申請日以降に契約し、支出した経費に限られます。既に開始している調査に要した費用は対象となりません。

● 助成対象期間

随時受け付けていますが、予算がなくなり次第、受け付けを終了します。

担当者に確認したところ、予算にはまだ余裕があるそうです(平成29年5月31日現在)。

● 助成を受けるための手続き

まず、東京都知的財産総合センターで申請内容について相談してください(事前予約要)。

その後、事前予約の上、申請書、その他の書類を東京都知的財産総合センターに直接提出してください(郵送では書類を受け付けてもらえません)。

担当者によると、相談の際に、①申請書のドラフト、②調査を依頼する予定の特許事務所や調査会社の見積書を持っていくと話がスムーズに進むそうです。

②の見積書に関しては、調査費用が助成対象(4つの目的と内容)に合致していることが分かるように記載されていることが望ましいということでした。

この助成金のユニークなところは、特許の出願費用ではなく、調査費用が助成対象となっている点です。

特許調査は特許戦略の基本中の基本ですので、これから特許戦略を立ててビジネスを展開していきたい企業様はぜひご検討ください!

東京都知的財産総合センター 特許調査費用助成事業(平成29年度)特許調査費用助成事業(平成29年度)