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【注目の大型補助金】事業再構築補助金、ここがポイント!(5)

2021年、新たな補助金が登場しました。
注目の「事業再構築補助金」とは?株式会社NewBeginningsJapanの中牟田康先生に連載して頂きます。

この記事は、こんな方におすすめ
・事業の再構築を考えている
・思い切って新分野に進出したい

今までの記事はこちら⇒(1)(2)(3)(4)

予算額1兆円超、1社あたりの補助金額最大1億円、補助率2/3という大型補助金。
それが、いま話題の「事業再構築補助金」です。
補助金のプロの視点から、話題の補助金の重要ポイントを解説します。

5回目は「通常枠の加点と緊急事態宣言特別枠」について。

【対象となる事業者】緊急事態宣言により月間売上高30%以上減少

事業再構築補助金を申請するには、以下のような売上減少の要件を満たしていなければなりません。

<①基本売上高減少要件>

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月(連続していなくても可)の合計売上高が、コロナ感染拡大以前(2019年又は2020年1~3月)の同じ3か月間の合計売上高と比較して10%以上減少していること

<①基本売上高減少要件>

以上の①基本売上減少要件に加えて、さらに緊急事態宣言が再度発出されていた今年(令和3年)1月~3月のいずれかの月の売上高が、前年(2020年)または前々年(2019年)の同じ月と比較して30%以上減少している場合(②特別売上減少要件)、「通常枠での加点」または補助率を引き上げた「緊急事態宣言特別枠」で申請が可能になります。

<②特別売上高減少要件>

【特別措置】通常枠での加点または補助率引上げを選択

基本売上高減少要件と特別売上減少要件を満たしている場合は、「通常枠での加点」または補助率を引き上げた「緊急事態宣言特別枠」のどちらかを選択しての申請が可能になります。

【緊急事態宣言特別枠】従業員数に応じた補助上限額がある

「緊急事態宣言特別枠」での申請では、補助率が通常枠よりも引き上げられていますが、従業員数に応じて補助上限額が決められていますので、事業計画の予算規模を考慮する必要があるでしょう。

従業員数 補助上限額 補助率
(通常枠の補助率)
5人以下 500万円 ●中小企業:3/4
(通常枠:2/3)
●中堅企業:2/3
(通常枠:1/2)
6~20人以下 1,000万円
21人以上 1,500万円
<緊急事態宣言特別枠のメリット>
緊急事態宣言特別枠で不採択の場合でも、加点の上で通常枠で再審査される
(但し、採択件数には限りがある)

<参考資料>
■中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」 事業再構築補助金に関するお知らせページ
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

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【注目の大型補助金】事業再構築補助金、ここがポイント!(4)

2021年、新たな補助金が登場しました。
注目の「事業再構築補助金」とは?株式会社NewBeginningsJapanの中牟田康先生に連載して頂きます。

この記事は、こんな方におすすめ
・事業の再構築を考えている
・思い切って新分野に進出したい

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予算額1兆円超、1社あたりの補助金額最大1億円、補助率2/3という大型補助金。
それが、いま話題の「事業再構築補助金」です。
補助金のプロの視点から、話題の補助金の重要ポイントを解説します。

4回目は「活用イメージ」について。

【事業再構築とは】思い切った事業の転換・新分野への進出

事業再構築の定義等については、経済産業省から発表される「事業再構築指針」を参照する必要があります。
公開資料(事業再構築補助金リーフレット、事業再構築補助金の概要)で示されている、この補助金の目的や対象からは、「事業再構築」とは、次のような“ポストコロナ・ウイズコロナ時代に対応した、思い切った事業転換・新分野進出”を指しているのではないかと思われます。

「事業再構築」とはどのような取組を指すか

 ポストコロナ・ウイズコロナ時代において生き残っていくための新たな挑戦
 先行きが不透明な既存事業からの脱却、新事業分野への進出
 既存事業の縮小・廃止も視野に入れた異業態・異業種への転換

【活用イメージ】経営資源を活かした新たな取組み

『事業再構築補助金の概要』(令和3年2月15日)で紹介されている活用イメージから、具体的な事例をいくつかピックアップしてみます。

①【小売業での活用例<業態転換>】紳士服販売

<ポイント>
 コロナの影響で店舗販売が低迷。新たな業態への転換が緊急課題
 これまで培ってきた商品知識やノウハウ、取引先とのネットワークを活かす
 新たにオンラインでの商品の提案・販売事業、サブスク型でのレンタル事業に業態転換する。

<補助対象経費例>
 新規に導入するオンラインサービスのシステム構築費
 新サービスの広告宣伝・販促費(Webサイト構築、ネット広告、販促物制作等)
 新サービスに従事する従業員の研修費
 店舗の縮小・撤退に係る建物の改修・撤去の費用

②【サービス業での活用例<新分野展開>】

<ポイント>
 コロナの影響で高齢者向けデイサービス・介護サービスの利用者が減少。
 既存事業を他社に譲渡。新分野に進出するため別企業を買収
 病院や高齢者施設向けの給食の製造、事務処理の受託サービス事業を開始

<補助対象経費例>
 既存施設の改修費用
 新サービスに必要な機器の導入費
 新サービスに従事する従業員の研修費
 新サービスの広告宣伝・販促費(Webサイト構築、ネット広告、販促物制作等)

③【製造業での活用例<新分野展開>】

<ポイント>
 コロナの影響で顧客の業績が低迷し需要が減少。既存分野では売上回復が困難
 得意とする製造技術(精密加工、小量・短納期等)を活かし新分野に進出
 将来性があり、高単価受注が期待できる医療機器向け部品製造を開始

<補助対象経費例>
 新商品の製造に必要な設備の導入
 既存の製造設備の廃棄費用
 新商品の製造ラインのための建物の改修費
 新商品製造に従事する従業員の研修費
 新サービスの広告宣伝・販促費(Webサイト構築、販促物制作等)

【その他の活用イメージ】

コロナの影響により既存事業が低迷し、将来への展望が見通せない状況であることを前提に、新たな業種・業態への思い切った転換、新分野への進出が、事業再構築補助金の活用イメージとして挙げられています。ここに紹介されている以外の業種においても、さまざまな活用方法が考えられるのではないでしょうか。
新分野・新事業への展開には、これまでの培ってきた経営資源(技術、ノウハウ、ネットワーク等)を活かすだけでなく、他企業との合併や買収、提携なども含まれるように思われます。

<参考資料>
■中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」 事業再構築補助金に関するお知らせページ
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

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【注目の大型補助金】事業再構築補助金、ここがポイント!(3)

2021年、新たな補助金が登場します。
注目の「事業再構築補助金」とは?株式会社NewBeginningsJapanの中牟田康先生に連載して頂きます。

この記事は、こんな方におすすめ
・事業の再構築を考えている
・思い切って新分野に進出したい

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予算額1兆円超、1社あたりの補助金額最大1億円、補助率2/3という大型補助金。
それが、いま話題の「事業再構築補助金」です。
補助金のプロの視点から、話題の補助金の重要ポイントを解説します。

2回目は「補助金額・補助率」について。

本記事の内容は、中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」において公表されている資料(最終更新日:2021年1月20日)に基づいて作成したものです。
「事業再構築補助金」は令和2年度3次補正予算案において実施予定のものです。
今後、事業内容が変更等される場合があります。
【お問い合わせについて】
自社の申請の可能性、スケジュール等のお問い合わせには現時点でお答えすることができません。
予めご了承ください。

【補助対象経費】建築関係、広告販促費も補助対象

事業再構築補助金では、補助対象となる経費例として次のようなものが挙げられています。

<補助対象経費>

  • 建物費、建物改修費
  • 設備費、システム構築費
  • 外注費(加工、設計等)
  • 研修費(教育訓練費等)
  • 技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)

これらの経費例の中で特徴的なのが「建物費、建物改修費」です。ものづくり補助金になかった新しい経費項目になります。

事業再構築に伴って、新たに店舗・施設を建設したり、既存の店舗・施設を新たな事業用に改修したりする費用が補助対象になると考えられます。建築関連費用は高額なることが多いでしょうから、補助対象になるのは嬉しいですね。

「設備費」と「システム構築費」は、ものづくり補助金における「機械装置・システム構築費」と同じ内容ではないでしょうか。

「設備費」は専ら補助事業のための使用する機械・装置・工具・器具の購入・製作・借用に要する経費、「システム構築費」は専ら補助事業のための使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用に係る経費となるのではないかと思われます。

また、公表されている活用例を見ると、新規の機械装置の導入だけでなく、既存設備の撤去にかかる経費も補助対象になるようです。

研修費(教育訓練費等)も、ものづくり補助金にない新しい経費項目です。事業再構築において新しい事業を開始するとなれば、従事する従業員への教育訓練も必要になるでしょう。外部の専門家を招いての研修やコンサルティングに要する経費が補助対象となるのではないでしょうか。

「広告宣伝費・販売促進費」が、ものづくり補助金特別枠と同様に補助対象となっています。新規事業の立ち上げでは、新たな顧客の獲得や販路の開拓には広告販促が必須となります。これらが補助対象となることで、思い切った広告展開が可能になるように思えます。

【活用例】

公表資料では3つの業種を例に事業再構築補助金の活用を紹介しています。

1:小売り業

事業計画 衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少 ↓↓

店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に転換

補助経費 ■店舗縮小にかかる店舗改修の費用
■新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用

2:製造業

事業計画 航空機部品を製造していたところ、コロナの影響で需要が減少 ↓↓

当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立上げ

補助経費 ■事業圧縮にかかる設備撤去の費用
■新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用

3:飲食業

事業計画 レストラン経営をしていたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少 ↓↓

店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応

補助経費 ■店舗縮小にかかる建物改修の費用
■新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用など

1回目の解説で述べたように、この事業再構築補助金は新分野への展開、業態転換、事業・業種の転換、事業再編の取組を支援するものとなっています。

コロナの影響を受けて売上が減少したことを前提に、新しい事業・業種・業態を始める取組、さらには既存事業の思い切った再編による新事業の開始など、会社自体を生まれ変わらせるような計画が、この事業再構築補助金の対象になるように思えます。

次回は、最新のリーフレットに紹介されているさまざまな業種(飲食・小売業・サービス・製造・運輸・食品製造・建設・情報処理)での活用イメージ15例について取り上げます。

<参考資料>

■中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」 事業再構築補助金に関するお知らせページ

https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

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【注目の大型補助金 】事業再構築補助金ここがポイント!(2)

2021年、新たな補助金が登場します。
注目の「事業再構築補助金」とは?株式会社NewBeginningsJapanの中牟田康先生に連載して頂きます。

この記事は、こんな方におすすめ
・事業の再構築を考えている
・思い切って新分野に進出したい

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予算額1兆円超、1社あたりの補助金額最大1億円、補助率2/3という大型補助金。
それが、いま話題の「事業再構築補助金」です。
補助金のプロの視点から、話題の補助金の重要ポイントを解説します。

2回目は「補助金額・補助率」について。

本記事の内容は、中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」において公表されている資料(最終更新日:2021年1月20日)に基づいて作成したものです。
「事業再構築補助金」は令和2年度3次補正予算案において実施予定のものです。
今後、事業内容が変更等される場合があります。
【お問い合わせについて】
自社の申請の可能性、スケジュール等のお問い合わせには現時点でお答えすることができません。
予めご了承ください。

【中小企業】2つの補助枠、最大1億円・補助率2/3

事業再構築補助金では、補助対象者を中小企業と中堅企業の2つに分け、それぞれについて2種類の補助枠が設定されています。

まず、補助対象者が中小企業の場合は「通常枠」と「卒業枠」の2種類があります。

種類 補助金額 補助率
通常枠 100万円~6,000万円 3分の2
卒業枠 6,000万円超~1億円 3分の2

通常枠とは

「通常枠」においては補助金額が最大6,000万円、補助率が3分の2となっています。ものづくり補助金と比べると補助金額は6倍。補助率も高く、大掛かりな投資計画にも対応できるのではないでしょうか。

卒業枠とは

「通常枠」を上回る設定となっているのが「卒業枠」です。補助金額が最大1億円、補助率も3分の2となっており、中小企業対象の補助金としては思い切った好条件と言えます。“中小企業の事業再構築を促し強い企業に生まれ変わらせたい”という、国の強い意図が込められているのではないでしょうか。

但し、この「卒業枠」には次のような条件が付けられています。

  • 400社限定
  • 事業計画内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかを実施
  • 資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業に成長する

まず、400社限定となっています。
限定数が各年度の設定なのか、それとも複数年度にわたってのものなのか、現時点では不明です。
採択社数が限定されますので、申請するのであれば早い方が良いかもしれません。

事業計画の3つの類型(①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開)の具体的な内容は、公募要領が公開されないとわかりません。

類型の中身とは

①組織再編とは、会社法(第五編)では“組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転”の4種類が規定さています。事業再構築促進補助金の①組織再編においても、会社法の規定を参考にすることは考えられるかもしれません。

②新規設備投資は、読んで字のごとく、ものづくり補助金と同じように機械装置の購入やシステム構築費が該当してくるのではないでしょうか。

③グローバル展開は、ものづくり補助金で実施されているグローバル展開型が参考になるかもしれません。

ものづくり補助金のグローバル展開型では4つの類型(海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業)が設けられています。事業再構築促進補助金のグローバル展開型も、このものづくり補助金のグローバル展開型の4類型に似た内容になるかもしれません。

次に、事業計画の実施によって、資本金又は従業員を増やすことで中小企業から中堅企業になることが求められています。中小企業の定義は中小企業基本法に定められています。したがって、この中小企業の定義よりも資本金又は従業員を増やすことが、“卒業枠”の要件だと考えられます。

【中堅企業】2つの補助枠、最大1億円・補助率1/2

次に、補助対象者が中堅企業の場合は「通常枠」と「グローバルV字回復枠」の2種類があります。

種類 補助金額 補助率
通常枠 100万円~4,000万円 2分の1
4,000万円超~8,000万円 3分の1
グローバルV字回復枠 8,000万円超~1億円 2分の1

中堅企業が対象の「通常枠」では補助金額が最大8,000万円と、中小企業対象のものよりも補助金額が大きくなっています。補助金額が大きくなった分、補助率は3分の1または2分の1と低くなっています。

多くの補助金制度は中小企業・小規模事業者を対象としていますので、規模の大きな企業も補助金を活用できるようになることは歓迎できます。

グローバルV字回復枠とは

中堅企業を対象としたタイプでも、「グローバルV字回復枠」という補助金額最大1億円の特別枠が設けられています。
但し、この「グローバルV字回復枠」にも次のような条件が付けられています。

  • 100社限定
  • 次の3つの要件をすべて満たすこと
  • 直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率0%以上増加を 達成すること。
  • グローバル展開を果たす事業であること。

中小企業対象のものよりも少ない100社限定となっています。
こちらの限定数も各年度の設定なのか、それとも複数年度にわたってのものなのか、現時点では不明です。
採択社数が少ないので、こちらも申請するのであれば早い方が良いかもしれません。

①の売上減少要件、②の付加価値額増加要件については、事業再構築補助金の標準要件よりも厳しくなっています。“V字回復枠”という名称の通り、大きな売上減少からの力強い回復が求められるように思われます。

③のグローバル展開事業については、中小企業対象卒業枠の申請類型のグローバル展開と同じ内容になるのではないでしょうか。

次回(3回目)は、補助対象経費と活用例について解説します。

 

<参考資料>

■中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」 事業再構築補助金に関するお知らせページ

https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

 

 

 

 

 

 

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【注目の大型補助金 】事業再構築補助金ここがポイント!(1)

2021年、新たな補助金が登場します。
注目の「事業再構築補助金」とは?株式会社NewBeginningsJapanの中牟田康先生に連載して頂きます。

この記事は、こんな方におすすめ
・事業の再構築を考えている
・思い切って新分野に進出したい


予算額1兆円超、1社あたりの補助金額最大1億円、補助率2/3という大型補助金として、いま話題の「事業再構築補助金」。補助金のプロの視点から、話題の補助金の重要ポイントを解説します。1回目は「目的、補助対象」について紹介します。

本記事の内容は、中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」において公表されている資料(最終更新日:2021年1月6日)に基づいて作成したものです。「事業再構築補助金」は令和2年度3次補正予算案において実施予定のものです。今後、事業内容が変更等される場合があります。

お問い合わせについて

自社の申請の可能性、スケジュール等のお問い合わせには現時点でお答えすることができません。予めご了承ください。

【目的】事業再構築への思い切った取組・挑戦を支援

まず、現在公表されている資料では次のような文言が書かれています。

  • ポストコロナ・ウイズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援
  • 新分野転換や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、企業・団体等の新たな挑戦を支援
    (※下線は当社による)

このような“思い切った事業再構築”、“新たな挑戦”の支援が、この事業再構築補助金の事業目的だと推察されます。
言い換えると、事業再構築補助金を申請する企業には“思い切った、新たな挑戦”が求められると言えるでしょう。
申請に際しては、例えば次のような点が求められるかもしれません。

  • 再構築等の取組を行わなければならない状況・理由
  • 再構築と呼ぶに値する中核事業の根本的な転換
  • 再構築を確実に実現できる入念な事業計画

【対象要件①】中小企業、団体、中堅企業が対象

公開資料では、対象者として中小企業と中堅企業が挙げられ、それぞれについて申請枠(通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠)が設けられる計画になっています。

まず、中小企業の範囲については中小企業基本法の定義と同様とされています。中小企業の定義は下記図のようになります。

また、中小企業基本法や中小企業等経営強化法における「中小企業者の定義」では、“会社及び個人”となっていますので、補助対象者には中小企業、小規模事業に加え、個人事業主も含まれる可能性もあると思われます。

中堅企業の範囲(定義)については現時点では不明です。中小企業基本法の改正も絡んで、「中堅企業」の定義が公募要領において示されると思われます。団体としては、ものづくり補助金のように組合関連(企業組合、協業組合等)や特定非営利活動法人が補助対象者に含まれるかもしれません。

業種 中小企業者
(下記のいずれかを満たすこと)
小規模事業者
資本金の額
又は出資の総額
常時使用する
従業員の数
常時使用する
従業員の数
①製造業、建設業、運輸業、
その他の業種(②~④を除く)
3億円以下 300人以下 20人以下
②卸売業 1億円以下 100人以下 5人以下
③サービス業 5,000万円以下 100人以下 5人以下
④小売業 5,000万円以下 50人以下 5人以下

図出展:中業企業庁FAQ「中小企業の定義について」

【対象要件②】売上減少の事実、事業計画の策定等が必要

事業再構築補助金の申請に当たっては、次の3つの要件をすべて満たすことが求められています。

  • 申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
  • 事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

(1)の売上高減少要件については適用期間と減少幅が明確に定められています。“コロナ以前”というのが、いつの時点を基準とするのか現時点では分かりませんが、申請時点においても売上がまだ十分に回復できていないことが必要になると思われます。また、減少を証明する資料(売上台帳等)の提出が求められるかもしれません。

(2)においては、認定支援機関や金融機関の協力を得て、事業計画を策定し取組んでいくことが求められています。したがって、事業再構築補助金の申請を考える企業等においては、事前に認定支援機関を探したり、取引先金融機関に相談したりしておいた方が良いと思われます。提出する事業計画書には、協力を得る認定支援機関や金融機関の名称、取組を実施していく際の役割等を記入することが求められるかもしれません。

(3)の付加価値額の増加要件は、ものづくり補助金においても定められています。

「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」です。つまり、申請する企業等には“設備投資等の取組を行い、利益を上げ、人も増やす”ことが求められます。したがって、それ相応の高い収益や成長が見込めるような事業計画が求められると思われます。この付加価値額の増加は重要なポイントになります。取組の成果として確実な売上・収益が見込まれ、またその実現性も高いと納得できる事業計画を策定する必要があると考えられます。

次回(2回目)は、事業再構築補助金の補助金額・補助率、補助対象経費について解説します。

<参考資料>

■中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」 事業再構築補助金に関するお知らせページ
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

事業再構築補助金に関する公開資料(2021年1月6日)

お問い合わせについて
自社の申請の可能性、スケジュール等のお問い合わせには現時点でお答えすることができません。予めご了承ください。

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持続化補助金、今年創業は100万円!!

小規模事業者持続化補助金の公募要領が改訂

最新の第4版が本日(4月27日)公表されました。
補助上限額引き上げの条件が緩和され、今年(2020年)に設立した法人、
または開業した個人事業主の場合、補助上限額が100万円(補助率2/3以内)に
引き上げられました!

要件

・法人設立日が2020年1月1日以降である会社
・税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主
※申請時に現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書、開業届を提出

持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金は
新しい申請要件が追加され、公募要領が頻繁に改訂されています。
なので、申請する場合は、公式サイトで公開されている
最新の公募要領を確認が必須です。
様式も変更になっている場合もあります。

▼小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領 第4版
https://r1.jizokukahojokin.info/files/8915/8796/3000/koubo_r1_ver4.pdf

※この補助金に関する中牟田先生へのお問い合わせはこちら
https://www.newbeginnings.jp/contactus/

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もの補助特別枠、広告販促費が補助対象に!

ものづくり補助金2次締切分の公募要領が更新(4月17日)され、【特別枠】において「広告宣伝費・販売促進費」が補助対象経費として加わりました。
広告販促にかかる経費は、これまでの「ものづくり補助金」では補助対象になっていませんでした。
小規模事業者であれば持続化補助金で申請することができましたが、中小企業は除かれていました。
もちろん、「広告宣伝費・販売促進費」の対象となるのは、ものづくり補助金で申請する補助事業において開発する製品やサービスに関係するものとなります。
補助事業と無関係の製品・サービスで使うことはできません。
また、「広告宣伝費・販売促進費」として申請できる経費の上限は、補助対象事業の総額(税抜き)の3分の1以内となっています。
例えば、1,000万円でシステム開発をするとして、広報費に500万円かけられるということになりますね。
<例>
・システム開発 1,000万円
・広告宣伝費 500万円(総額1,500万円の3分の1以内)
・補助対象事業総額 1,500万円
▼ものづくり補助金総合サイト
※この補助金に関する中牟田先生へのお問い合わせはこちら
https://www.newbeginnings.jp/contactus/
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【緊急解説】これでわかる!持続化給付金 ※4/27時点

新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている事業者に対しての緊急経済対策として「持続化給付金」の支給が始まります。
法人には最大200万円、個人事業主には最大100万円が支給されることになっています。
しかし、その仕組みがわかりにくいという声もよく聞かれます。

そこで、現時点(2020年4月13日)で公表されている情報をもとに、制度の内容をまとめてみました。

また、一番わかりにくいと思われる「売上減少分の計算方法」について、計算例をあげて解説してみました。
売上減少分の計算は「助成金の支給対象になるかどうか」、「給付額がいくらになるか」を判断するのに必要な重要ポイントです。

参考になれば幸いです。

【ご注意】持続化助成金について詳細は未定です。
ここに掲載した内容は今後変更になる可能性があります。
4月末頃に公表予定の確定情報を確認してください。

<資料>
■経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ」
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

■経済産業省「持続化給付金に関するよくあるお問合せ」
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-qa.html

※この補助金に関する中牟田先生へのお問い合わせはこちら
https://www.newbeginnings.jp/contactus/

 

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0から分かる補助金のはなし(2)補助金にはどんな種類があるの?

0から分かる補助金のはなし(1)補助金って何?

国の補助金には、たくさんの種類があります。
大きく分けると、経済産業省系と厚生労働省系に分かれます。

経済産業省系の補助金は、事業計画書の出来がポイントになる

経済産業省系の補助金とは、例えば以下のような補助金です。
これらは、その事業計画の優劣によって採用されるか不採用となるかが決まるので、採用されるためには、まず、申請するための要件(申請要件)を満たしていなければなりません。
それに加え、採択されるような事業計画を考えて決めなければなりません。
一般的に難易度が高く、採択率も低い傾向があります。

「創業補助金」「ものづくり補助金」「小規模持続化補助金」などがあります。

ちなみに、これらの補助金には、認定支援機関などの外部機関の支援が要件、というものがかなりあります。

厚生労働省系は、とにかく要件を満たしているかがカギ

厚生労働省系の補助金は「助成金」と呼びます。
一定の申請要件を満たしているかどうかによって採用か不採用かが決まるものです。
要件が満たされていれば交付される補助金のため、経済産業省系よりも採択率は高いといえます。

具体的には「キャリアアップ助成金」「雇用調整助成金」などの厚生労働省関係の助成制度があります。
これらの助成金は、主に社会労務士が申請を支援します。

まとめ

補助金や助成金は、うまく使えば経営の助けにもなり、素晴らしい効果を発揮します。
現在の自社の課題や問題点を分析することで良い申請書が作成できます。
なお助成金については、基本的には社労士に依頼するのがスムーズです。
みんなの助成金では、社労士とのマッチングも行っております!
お問い合わせはこちらから→専門家を探す

 

 

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0から分かる補助金のはなし(1)補助金って何?

「補助金に興味はあるけど、よく分からない」
「どうすれば申請できるのか知りたい」
「誰でも採択されるの?」

そんな疑問をお持ちの方にお届けする「0から分かる補助金のはなし」シリーズです。

補助金ってなんだろう?

補助金とは、「申請することによって、国や地方自治体から受け取れる、返済不要のお金」です。
でも、申請すればだれでも受け取れるわけでは無く、審査に通過し採択されることが必要です。

補助金事業とは?

では、国がお金を交付する場合の「補助金事業」はどういったものでしょうか。
国は、取り組まなければいけない多くの政策目標について、それぞれ目標に合った計画(施策)を実施します。
「補助金事業」とは、その施策の中でも国が企業、民間団体、個人、自治体などにお金を直接交付する事業のことをいいます。
国はお金(補助金)を交付することによって、企業や民間団体、個人や自治体に取り組みが広がり、その効果によって、政策目標が達成されるという流れを作る狙いがあります。
現在では、民間企業や財団が手掛ける補助金も数多くあります。
いずれも、理念が明確になっており、その理念に合う事業が採択されます。

補助金のメリット・デメリット

補助金にはメリットとデメリットがあります。
それはどんなものでしょう?

メリット

  • 事業の様々な局面で資金負担、投資リスクを軽減することができる
  • 資金に余裕ができ、攻めの経営に取り組むことができる
  • 採択されることで金融機関等の信用度が増す

デメリット

  • 事業完了後にわりと短期間で報告書を提出しなくてはならない(ものにもよるがかなり大変)
  • 報告書の提出後審査があり、最終的な支給金額が確定するので必ずしも満額出る訳ではない
  • 原則後払いなので、事業を行うにあたって資金の手当てが必要になる

次回からは、細かくその内容を見ていきます。