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​社会保険料を削減する方法(3)

みんなの助成金では「助成金」や「補助金」など国からもらえるお金のことを中心にお伝えしています。でも、経営者の方にとっては「出ていくお金」も気になるところですよね。では、前回に引き続き「社会保険料の削減」について見ていきましょう。


(6)1年単位の変形労働時間制を使う

前回の(5)のケースのように4月~6月に時間外労働が発生することが元々見込まれるのであれば、4月~6月の間の所定労働時間そのものを延長してしまう方法もあります。法律上の労働時間の原則は、一週間40時間、一日8時間です。1年単位の変形労働時間制というのは、一定期間のカレンダーをつくり、その期間を平均して一週間の労働時間が40時間以内になればいいですよ、という制度です。

この制度を使うと例えば、

基本 → 一日8時間

のところを

変形を使う  →一日9時間

にできます。

一日9時間労働であっても時間外手当は発生しません。一定期間で平均をとりますから、どこかでお休みを増やしたり、労働時間を短縮する必要はあります。この制度をうまく活用できれば、

◎保険料も削減できる
◎時間外労働も削減できる

という効果が期待できます。ただし、事前に手続きが必要なのでそこはしっかりと確認をお願いしますね。

※参考:厚生労働省webサイト「1年単位の変形労働時間制」

(7)退職日を月末より前にする

給与の支払いが「月末締め、翌月●日支給」の会社だとします。

・8月31日に退職した場合
→9月●日支給分の給与から通常通り、 厚生年金保険料と健康保険料を控除します

・8月30日に退職した場合
→9月●日支給分の給与からは厚生年金保険料と健康保険料を控除しません

社会保険の制度では、退職した日の前月分までの保険料を納付することになっていますので、8月1日~30日までの間に退職した人は、7月分までを納付することになります。ただし、退職者本人は、8月分の社会保険料(国民健康保険・国民年金等)を自分で納める必要があります。これに関しては、退職後の状況によって異なります。

また、入社してその月内にすぐに退職してしまった人も取り扱いが異なりますので注意が必要です。

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防げ!マイナンバー詐欺!!

みなさん、こんにちは。社会保険労務士の久保田です。
マイナンバー、みなさんのお手元には届きましたか?個人カードの発送状況はコチラから確認できるので、気になる方は見てみてくださいね。

さて、注目が集まるマイナンバーですが早くもマイナンバーに関わる犯罪が発生しているようです。この「みんなの助成金」を見ていただいているみなさんが被害に合わないように今日は「マイナンバー詐欺」について、お伝えしていきますね。被害が発生しているマイナンバー詐欺の種類は大きく分けて3つあります。

・CASE1:劇場型
入れ替わり立ち代わりいろいろな役の人が出てきます。そして本当にトラブルがあったかのようにストーリーが進んでいきます。

例)
①公的な窓口役の人物から電話がかかってきて「あなたのマイナンバーは○○番です」と伝えられる。
②次に別の人物から「寄付をしたいのであなたのマイナンバーを貸してほしい」と言われる。
③今度は、寄付を受けた団体の人物から電話が来る。「マイナンバーを人に教えるのは犯罪行為になる」と脅されて、現金を取られる。

●CASE2:情報収集型
振り込め詐欺グループなどは、やみくもに電話をかけているわけではないんです。事前に家族構成などの調査をして「お金を取れそうだ」というところに電話をしてきます。

もしあなたのところにこんな電話がかかってきたら・・・・?

例)
①「マイナンバーに関するアンケート調査をしています。」
②「家族構成はどうなっていますか?」
③「親族は近くに住んでいますか?」

公的機関の窓口からかかってきたら答えてしまいそうですよね。
でも何気ない会話から「家族構成」「お年寄りの一人(夫婦)暮らしかどうか」「親族は近くに住んでいるのか」「資産はどれくらいか」なんていうことが漏れている可能性があります。この時は被害が無くても後々、振り込め詐欺などのターゲットになってしまうかもしれません。

●CASE3:便乗型
マイナンバー制度に便乗して詐欺行為を行うパターンです。例えば、こんな電話がかかってきます。

例)
①「マイナンバーのセキュリティー対策で○○万円かかるので負担してください。」
②「マイナンバーが始まると資産がすべて税務署にバレてしまうので金などの現物を持ちましょう。などなど

悪い人たちは、本当に賢いですよね(関心している場合ではありませんが・・・)。
新しい制度ができるとそれに乗じた犯罪が起きます。
他にもいろいろなパターンの電話が来たりメールが届いたりするかもしれません。

犯罪に巻き込まれないためにも「マイナンバーに関することを行政機関が電話やメールで知らせてくることは無い」と考えてください。もし、少しでもおかしいなと感じたら、一度電話を切って、電話番号を調べなおして自分から折り返しかけなおす、というのも有効です。

こうした犯罪から従業員やその家族を守る、という意味でも会社の行うマイナンバー教育がとても重要なのではないでしょうか。

その他、気になる点がありましたら、マイナンバーコールセンターまでお問い合わせください。

コールセンター:0570-20-0178


久保田先生、有難うございました!
マイナンバー、安全な運用がなされるのかも心配ですが、個人や各会社でもしっかり保管・運用には
気を付けていきたいですね。事業者の皆様も、マイナンバーについてご心配なことがございましたらぜひお気軽に久保田先生までお問い合わせ下さい!(みんなの助成金 運営事務局:白石)

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ものづくり系中小企業はどこに向かっているのか ~B to BからB to Cへの転換~ (2)

助成金コラムをご覧の皆さん、こんにちは!クロスリンク特許事務所のヤマダです。
今回も前回に引き続き、ものづくり系中小企業のB to BからB to Cへの転換がテーマです。


「B to Bビジネスの問題を打破するには?」

展示会で色々な企業の方とお話をしてみると、B to Bビジネスの問題を打破する方向性として、以下の2つの方向性があるように見えました。

(1)B to Bビジネスを極める

徹底的な合理化を図ることによって、発注元からのコストダウン要請に応え、部品供給メーカーとして生き残っていく、という方向性です。今回の展示会では、加工製品を自動車バッテリー用のキャップに絞り込み、高度な加工を自動化・無人化して製造装置を24時間稼働させ、徹底的な合理化によってコストダウンを図っている企業がありました。

この企業は国内シェアの6割以上を獲得し、東南アジアにも製造拠点があるそうです。勢いを感じますね!

(2)B to BビジネスからB to Cビジネスに転換する

自分たちの高度な加工技術を活かして自社製品を開発し、企業ではなく一般の消費者に対して売り込んでいく、という方向性です。いわゆるB to C(個人相手)のビジネスですね。今回の展示会では、高度な金属加工の技術を活かしてキッチンツールを開発している企業がありました。B to Cのビジネスは、発注元の事情に左右されず、自分たちで仕掛けていくことができるのが魅力です。加工業者の新たなビジネススタイルとして要チェックですね!

「『すみだモダン』は、B to Cビジネスの好例」

最後に、加工業者のB to Cビジネスのモデルとなりそうな取り組み「すみだモダン」を紹介します。「すみだモダン」は、東京都墨田区が推進する地域ブランド戦略の一つです。

古き良き江戸の風情と、最先端の東京スカイツリーが混在するものづくりの町「すみだ」が、ちょっとなつかしく、そしてあたらしい製品を「すみだモダン」として認証し、ブランド化していく取り組みです。

下の写真をご覧ください。これは「kaico」というブランドのケトルです。金属のプレス加工会社である昌栄工業が製造し、すみだモダン2014に認証されました。

2014年「すみだモダン」商品部門認証商品一覧より

昌栄工業「kaico」

シンプルなデザインのケトルに見えますが、底に向かって広がる円錐台型のフォルムは製造が難しく、今まであまりなかったデザインとのこと。外部デザイナーが創り出したモダンなデザインを、昔かたぎの職人が高度な金属プレスの技術で実現する。

新しいデザインと、伝統的な技術がガッチリ手を組んだものづくりの新しい形態、ものづくりの未来を示した一品です。

このように、高度な加工技術を製品形態に落としこむができれば、意匠登録などの道も開けるはずです。

今日のポイント

1.B to Bを極めることで、部品供給メーカーとして生き残っていくことができる。
2.B to Cは、発注元の事情に左右されず、自分たちで仕掛けていくことができる。
3.高度な加工技術を製品形態に落としこむができれば、意匠登録などの道も開ける。

おまけ

「すみだモダン」には、他にもたくさんの商品が認証されています。ご興味がある方は、こちらをご覧ください。

「すみだモダン」 商品部門 認証商品一覧


山田先生、有難うございました!「すみだモダン」のロゴ、とってもおしゃれですし、ものづくりに強い墨田区の良いブランディングになっていますね。ものづくり補助金での、特定基盤技術に「ものづくり」が追加され、これからのビジネスモデルであると言えそうです。(白石/みんなの助成金 運営事務局)

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ものづくり系中小企業はどこに向かっているのか ~B to BからB to Cへの転換~(1)

助成金コラムをご覧の皆さん、こんにちは!クロスリンク特許事務所のヤマダです。
今日も中小企業の経営にも役立つ知的財産に関する情報をお伝えしていきたいと思います。
よろしくお願いします。


「加工業者のジレンマ」

「加工業者」とは、例えば、金属素材の切削、成形、表面処理などについて高度な加工技術を持った業者のことです。加工業者は発注元からの依頼に応じて、複雑な構造の部品や高い精度が要求される部品を製造しています。ただ、加工業者は、高度な加工技術を持っている割には、特許などの知的財産権を持っていないことが多いようです。それは、おそらく以下のような理由によるものと考えられます。

(1)加工の対象は、発注元の製品や部品であるため、その内容について勝手に特許を取ることはできない。(2)職人の加工技術は、職人の感覚に依存することも多く、技術としての客観性がないため、特許として認められにくい。
(3)特許を申請すると、技術ノウハウが公開されてしまうため、特許を申請しにくい。

このように、加工業者は高度な技術を持っているにも拘らず、技術の象徴とも言える特許を持つことは難しいというジレンマがあるのです。実際、幾つかの企業にインタビューしてみたところ、

「これからは特許を持っていないと、勝負にならない。」
「製品に付加価値を付け、利益を出すためには、特許が必要。」という頼もしい声もありましたが、このような声はかなり少数派。

特許などの知的財産権の取得については、消極的な姿勢の企業が大多数という印象でした。

「B to Bビジネスが抱える問題」

加工業者のビジネスは、発注元から注文を受け、製品の加工をし、納品する、いわゆるB to B(企業相手)のビジネスです。B to Bのビジネスにおいては、加工業者は下請け業者と見られがちで、発注元からの厳しい値下げ要求にさらされます。このため、たとえ他にはない高度な加工技術を持っていたとしても、それが企業の利益に結びつきにくいという問題があります。

次回はB to Bビジネスの問題の解決策と、その具体的な事例についてご紹介します。

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締切間近!!「企業内人材育成推進助成金」のご紹介

photo by Chriatian Shnettelker

社会保険労務士の常見です。

平成27年度、最も問い合わせの多い助成金企業内人材育成推進助成金を紹介します。

この助成金は、原則として業種や企業規模を問わず受給することが可能で注目を集めております。
企業内人材育成推進助成金のうち平成27年度技能検定の受験申込期限【後期日程は10月16日(金)まで】が近づいている『技能検定合格報奨金制度助成』を案内させて頂きます。

『技能検定合格報奨金制度』とは?

労働者に技能検定を計画的に受けさせ、合格者に対して報奨金を支給する制度です。機械加工、
建築大工からファイナンシャルプランニングまで実に幅広い検定が用意されております。
また、合格報奨金制度の額については事業主で任意に設定することができます。

【技能検定合格報奨金制度における助成額の概要】

l技能検定の取得推進を支援する制度の策定(20万円)
l実際に制度を適用すると5万円×10人まで(最大50万円)
※合計最大70万円まで受給できる可能性があります。

各都道府県にある設置されている『職業能力開発協会』で実施しております。

自治体よっては、人気の技能検定は既に定員になって申込が出来ない検定も出ているようです。ご興味ある技能検定がございましたらお近くの『職業能力開発協会』にお問い合わせください。

中央職業能力開発協会(JAVADA):平成27年度技能検定【後期】

もう既に申込をされ場合若しくはこれから申込を検討している事業主であれば、助成金を活用できる可能性がございますので、助成金受給を検討してみてはいかがでしょうか?